- 【結論】令和8年分の「壁」は178万円と136万円。浜松の時給1,154円なら月128時間・98時間
- そもそも「103万円の壁」はどこへ?基礎控除104万円+給与所得控除74万円=178万円
- 【本人の税】178万円の壁=月収14.8万円。浜松の時給1,154円なら月128時間まで
- 【扶養の税】いちばん動いたのはここ。扶養に入れるのは給与収入136万円まで
- 【見落とし注意】浜松市の住民税は106.5万円から。所得税より壁が低い
- 【手取りが一番減る壁】税より社会保険。130万円・週20時間に注意
- 浜松で時給1,154円で働くなら、月何時間が目安?4つの壁を一覧表に
- まとめ|令和8年分の壁は「106.5万円・130万円・136万円・178万円」の4本立て
【結論】令和8年分の「壁」は178万円と136万円。浜松の時給1,154円なら月128時間・98時間
「103万円の壁って、結局いくらになったの?」「扶養から外れないように働くには、月何時間までならいいの?」——浜松市でパートやアルバイトをしている方、お子さんのアルバイト代が気になる方へ。令和8年分(2026年分)の所得税から、壁の位置が大きく動きました。先に結論をまとめます。
- 自分に所得税がかからないライン:給与収入178万円(かつての「103万円の壁」がここまで上がりました)
- 親や配偶者の扶養に入れるライン:給与収入136万円(令和7年分の123万円から4万円分アップ)
- 社会保険の扶養に入れるライン:年収130万円未満(ここは変わっていません)
- 浜松市で住民税がかからないライン:給与収入106.5万円(いちばん低い壁)
そして、静岡県の最低賃金は令和8年10月15日から1,154円になります。この時給で割り戻すと、こうなります。
- 178万円まで働く:月およそ128時間(週約30時間)
- 136万円までに抑える:月およそ98時間(週約23時間)
「壁が上がったからもっと働ける」のは事実ですが、税金・社会保険・住民税で壁の位置がバラバラなのが令和8年分のややこしさです。順番に、自分がどの壁を気にすべきなのか整理していきましょう。
そもそも「103万円の壁」はどこへ?基礎控除104万円+給与所得控除74万円=178万円
なぜ壁がここまで動いたのか、仕組みから見ておきましょう。給与で働く人に所得税がかかるかどうかは、ざっくり次の式で決まります。
給与収入 −(給与所得控除 + 基礎控除)= 課税される所得
この2つの控除が、令和8年分から次のように引き上げられました。
- 基礎控除:104万円(本来の62万円に、令和8年・9年分限定の特例加算42万円を上乗せ。合計所得489万円以下の場合)
- 給与所得控除の最低保障額:74万円(本来の69万円に、給与収入220万円以下の場合の特例加算5万円を上乗せ)
104万円+74万円=178万円。ここまでは課税される所得が0円になるので、所得税がかかりません。「103万円の壁」と言われていた頃と比べると、こうなります。
| 年分 | 基礎控除 | 給与所得控除 | 所得税がかからない給与収入 |
|---|---|---|---|
| 令和2年ごろ | 48万円 | 55万円 | 103万円 |
| 令和7年分 | 95万円 | 65万円 | 160万円 |
| 令和8年分 | 104万円 | 74万円 | 178万円 |
数年で75万円も動いたことになります。「103万円」「123万円」「160万円」と情報が入り混じっているのは、この短期間での改正が原因です。
なお、この改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から適用されます。1月からの毎月の給与では旧ルールで源泉徴収されているため、差額は令和8年12月の年末調整でまとめて精算されるしくみです。年末調整の書類の様式も変わるので、勤務先から配られる用紙は昨年と同じつもりで書かないよう注意しましょう。
【本人の税】178万円の壁=月収14.8万円。浜松の時給1,154円なら月128時間まで
まずは「自分に所得税がかかるかどうか」の壁です。令和8年分は給与収入178万円まで所得税がかかりません。月収に直すとおよそ14.8万円です。
これを静岡県の最低賃金で働く場合の時間に置き換えてみます。静岡県の最低賃金は令和8年10月15日から1,154円(それまでは1,097円)です。
- 1,780,000円 ÷ 1,154円 = 年およそ1,542時間
- 12か月で割ると 月およそ128時間
- 週に直すと 週およそ29.6時間
1日6時間勤務なら月21日、1日5時間なら月25日ほど働ける計算です。「扶養は気にしない、自分の税金だけ抑えたい」という方は、ここがゴールラインになります。
ただし気をつけたいのは、178万円を1円超えたからといって手取りが急に減るわけではないということ。超えた分にかかる所得税は5%からなので、1万円超えても税額は数百円です。「壁を超えたら損」という話が当てはまるのは、このあと説明する扶養と社会保険の壁のほうです。
浜松市で最低賃金がどう上がってきたか、手取りへの影響はこちらの記事でも詳しく解説しています(内部リンク:静岡県の最低賃金が1,154円に!)。
【扶養の税】いちばん動いたのはここ。扶養に入れるのは給与収入136万円まで
実は、多くの家庭にとって影響が大きいのはこちらです。親や配偶者の扶養に入れるかどうかの基準も引き上げられました。
扶養親族・同一生計配偶者と認められる合計所得金額の要件は、令和8年分から58万円以下 → 62万円以下に。給与所得控除74万円を足し戻すと、給与収入ベースでは136万円以下になります。
- 136万円 ÷ 12か月 = 月およそ11.3万円
- 1,154円で働くなら 月およそ98時間(週およそ23時間)
1日5時間なら月20日弱。「扶養の範囲で」と言われたときの実際のシフト感がイメージできるはずです。
136万円を超えても、いきなり全部なくなるわけではない
136万円を超えると扶養控除・配偶者控除の対象からは外れますが、その先も段階的に控除が残る仕組みがあります。
| だれの収入か | 満額の控除が使えるライン | 段階的に控除が残るライン |
|---|---|---|
| 19歳以上23歳未満の子(特定親族特別控除) | 給与収入136万円以下 | 136万円超〜197万円以下 |
| 配偶者(配偶者特別控除) | 給与収入136万円以下 | 136万円超〜207万円以下 |
| 学生本人(勤労学生控除) | 給与収入163万円以下なら本人の控除を追加できる | — |
とくに大学生・専門学校生のお子さんがいる家庭は、197万円まで親の控除がゼロにならない点を知っておくと、シフトの相談がしやすくなります。控除額の段階や申告書の書き方は、こちらの記事で詳しく整理しています(内部リンク:特定親族特別控除は最大63万円)。
【見落とし注意】浜松市の住民税は106.5万円から。所得税より壁が低い
ここがいちばん見落とされがちなポイントです。所得税がかからなくても、住民税はかかります。しかも住民税の壁は、所得税よりずっと低い位置にあります。
浜松市の場合、市民税・県民税が課税されない基準は次のとおりです(扶養親族がいない方の例)。
- 均等割も所得割もかからない:合計所得41.5万円以下(=給与収入106.5万円以下)
- 所得割だけかからない:合計所得45万円以下(=給与収入110万円以下)
つまり、給与収入が106.5万円を超えると均等割が、110万円を超えると所得割もかかってきます。浜松市の均等割は市民税3,000円+県民税1,400円(森づくり県民税400円を含む)で、これに森林環境税1,000円が加わります。
1,154円で働くと、106.5万円は月およそ77時間、110万円は月およそ79時間。「所得税がかからないから大丈夫」と思って働いていると、翌年6月ごろに届く住民税の通知で驚くことになります。
住民税は改正の反映が1年遅れる
もうひとつ知っておきたいのが、住民税は前年の所得に対して翌年度に課税されるという点です。そのため、所得税の改正が住民税に反映されるのは1年遅れになります。令和8年度(令和8年6月から納める分)の住民税は令和7年分の所得が対象で、給与所得控除65万円・扶養親族等の所得要件58万円で計算されています。
令和8年分の収入に対する住民税は令和9年度分。上で紹介した106.5万円という数字も、令和9年度分では変わる可能性があります。最新の基準は浜松市の市民税課のページで確認してください。
【手取りが一番減る壁】税より社会保険。130万円・週20時間に注意
ここまで税金の話をしてきましたが、手取りへのダメージがいちばん大きいのは社会保険の壁です。税金は超えた分にだけかかりますが、社会保険は加入すると保険料が一気に発生します。
130万円の壁:親や配偶者の健康保険の扶養に入れるライン
親や配偶者の健康保険の被扶養者でいられるのは、原則年収130万円未満(60歳以上の方や障害のある方は180万円未満)です。ここは今回の税制改正では変わっていません。
- 130万円 ÷ 12か月 = 月およそ10.8万円
- 1,154円なら 月およそ94時間(週およそ22時間)
税の扶養(136万円)より低い位置にあるのがポイントです。「税金は扶養のまま、でも健康保険は外れる」というゾーンが136万円までの間に存在します。ここに気づかないまま働くと、国民健康保険料や国民年金保険料の負担で世帯の手取りが減ってしまいます。
週20時間の壁:自分が勤務先の社会保険に入るライン
もうひとつ、勤務先の規模などの条件を満たす場合は週20時間以上働くと自分自身が勤務先の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入します。加入すれば将来の年金は増えますが、当面の手取りは減ります。
なお「106万円の壁」と呼ばれてきた月額8.8万円の賃金要件は、法改正で撤廃が決まっています。ただし厚生労働省は施行時期について「法律の公布から3年以内で、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断する」と説明しており、具体的な時期は最新情報の確認が必要です。撤廃後は「週20時間の壁」に一本化されるとみられています。
ご自身が加入対象になるかどうかは、勤務先の社会保険担当者に確認するのが確実です。
浜松で時給1,154円で働くなら、月何時間が目安?4つの壁を一覧表に
ここまでの4つの壁を、静岡県の最低賃金1,154円で働いた場合の労働時間に換算してまとめます。
| 壁 | 年収 | 月収の目安 | 月の労働時間 | 週の労働時間 |
|---|---|---|---|---|
| 浜松市の住民税がかからない | 106.5万円 | 約8.9万円 | 約77時間 | 約18時間 |
| 健康保険の扶養に入れる | 130万円未満 | 約10.8万円 | 約94時間 | 約22時間 |
| 税の扶養に入れる | 136万円 | 約11.3万円 | 約98時間 | 約23時間 |
| 自分に所得税がかからない | 178万円 | 約14.8万円 | 約128時間 | 約30時間 |
どこを目指すかは、家庭の状況によって変わります。考え方の目安を3パターン挙げます。
- とにかく負担をゼロにしたい:月77時間(年106.5万円)以内。住民税もかからず、扶養も外れません
- 扶養の範囲で最大限働きたい:月94時間(年130万円未満)以内。健康保険の扶養を基準にするのが安全です
- 扶養を出て本格的に働く:中途半端に130万円を少し超えると保険料負担で手取りが落ちるので、思い切って年160万円以上を目指すほうが世帯の手取りは回復しやすくなります
なお、賞与や通勤手当の扱い、勤務先独自の家族手当の支給条件(「配偶者の年収103万円まで」など古い基準のままの会社もあります)によって、最適なラインは変わります。勤務先の就業規則や家族手当の条件も必ず確認してください。
まとめ|令和8年分の壁は「106.5万円・130万円・136万円・178万円」の4本立て
最後に、令和8年分(2026年分)で押さえておきたい4つの数字をおさらいします。
- 106.5万円:浜松市で住民税がかかり始めるライン(月約77時間)
- 130万円:健康保険の扶養から外れるライン(月約94時間)
- 136万円:親や配偶者の税の扶養から外れるライン(月約98時間)
- 178万円:自分に所得税がかかり始めるライン(月約128時間)
「103万円の壁」という言葉はもう令和8年分の実態に合っていません。自分が気にすべき壁はどれなのかを決めてから、シフトを組むのが正解です。
そして大事なのがタイミング。扶養に入れるかどうかは、その年の1月から12月までの合計で判定されます。つまり、勝負は10月から12月。年末にかけて「あと何万円まで働けるか」を計算し、必要ならシフトを調整しましょう。令和8年12月の年末調整からは申告書の様式も変わるので、勤務先から配られる書類は落ち着いて記入してください。
あわせて読みたい記事も紹介します(内部リンク:静岡県の最低賃金が1,154円に/特定親族特別控除は最大63万円/生命保険料控除が最大6万円に)。
最終的なご自身の金額は、勤務先の給与担当者、浜松市役所の市民税課(住民税について)、浜松西税務署など(所得税について)にご確認ください。制度は年度ごとに変わるため、最新情報は必ず公式ページでご確認をお願いします。