【結論】令和8年10月の受診分から、20歳未満の通院が無料になります
浜松市の「重度心身障害者医療費助成制度」が、令和8年10月受診分から改正されます。変わるのは20歳未満の人の助成内容で、ポイントは次の2つです。
- 通院無料の対象が20歳未満まで拡大(時間外診療は除く)
- 20歳未満の入院時の食事療養費が無償化
これまで通院が無料だったのは乳幼児だけで、それ以外は1か月1医療機関につき500円の自己負担がありました。10月からは、20歳未満であれば通院の自己負担がゼロになります。障害のあるお子さんを育てるご家庭にとって、毎月の医療費負担が実質ゼロに近づく改正です。
そもそも重度心身障害者医療費助成とは?対象になる手帳と等級
重度心身障害者医療費助成制度は、重い障害のある人が保険診療で支払った自己負担分を浜松市が助成する制度です。対象になるのは、次の手帳などをお持ちの人です。
- 身体障害者手帳1級・2級・3級
- 療育手帳A、および療育手帳Bの一部
- 精神障害者保健福祉手帳1級
- 特別児童扶養手当1級・2級の対象児童
ただしすべての対象者に所得制限があり、世帯内の所得が限度額を超えていると助成を受けられません。なお、浜松市重度心身障害者医療費助成規則は療育手帳の対象を「その障害の程度が重度又は中度と判定されたもの」と定めており、「Bの一部」はこの「中度」と判定された人を指します。手帳の表記だけでは線引きが分かりにくいので、対象かどうか迷うときは手帳を持って区役所の社会福祉課に相談するのが確実です。
何がどう変わる?改正前と改正後の自己負担額を比べてみた
市内の医療機関にかかったとき(現物給付方式)の自己負担額を、20歳未満のケースで比べると次のようになります。
| 区分 | 令和8年9月まで | 令和8年10月受診分から |
|---|---|---|
| 通院(乳幼児) | 0円 | 0円 |
| 通院(乳幼児以外の20歳未満) | 1か月1医療機関につき500円 | 0円(時間外診療を除く) |
| 入院 | 0円 | 0円 |
| 入院時の食事療養費 | 自己負担(助成対象外) | 無償化 |
| 薬局 | 自己負担なし | 自己負担なし |
注意したいのは時間外診療は無料の対象外という点です。夜間や休日の受診分には、これまでどおり1医療機関ごとに月500円の自己負担が残ります。
見落としがちな「入院時の食事代が無料」のインパクト
入院時の食事代(入院時食事療養費の標準負担額)は、これまで病衣代や室料差額と同じく助成の対象外で、全額自己負担でした。令和8年10月からは、20歳未満であればこれが無償化されます。
入院時の食事代は全国一律で決まっており、令和8年6月1日から一般(住民税課税世帯)は1食550円に改定されました。1日3食なら1,650円、仮に30日入院するとおよそ4万9,500円になる計算です(一般区分の場合の単純計算による目安)。低所得者Ⅱは1食270円(入院90日超は220円)、低所得者Ⅰは1食130円と区分によって金額は変わりますが、いずれにしても長期入院や入退院をくり返すご家庭ほど効いてくる改正です。
20歳以上の人の自己負担は変わりません
今回の改正の対象は20歳未満です。20歳以上の人は、市内の医療機関では引き続き次の自己負担があります。
- 通院:1か月1医療機関につき500円
- 入院:1日500円(1か月あたり最大5,000円)
- 薬局:自己負担なし
切り替わる時期は、市の助成規則で受給者証の有効期限が「20歳に達する日の属する月の末日まで」と定められています(浜松市重度心身障害者医療費助成規則第7条)。つまり20歳の誕生日を迎えた月の末日までは20歳未満の扱いで、その翌月から自己負担が発生する形になります。20歳が近いご家庭は、家計の見通しにあらかじめ入れておくと安心です。
所得制限に注意。世帯の所得が限度額を超えると対象外
手帳の等級が該当していても、世帯内の所得が限度額を超えていると助成は受けられません。限度額は本人の所得で見るか配偶者・扶養義務者の所得で見るかによって異なり、扶養親族等の人数でも変わります。浜松市が公表している「特別障害者手当・障害児福祉手当・医療費助成所得制限表」の金額は次のとおりです。
| 扶養親族等の数 | 本人年間所得 | 配偶者・扶養義務者年間所得 |
|---|---|---|
| 0人 | 3,758,000円 | 6,287,000円 |
| 1人 | 4,138,000円 | 6,536,000円 |
| 2人 | 4,518,000円 | 6,749,000円 |
| 3人 | 4,898,000円 | 6,962,000円 |
| 4人 | 5,278,000円 | 7,175,000円 |
| 5人 | 5,658,000円 | 7,388,000円 |
扶養義務者が1人増えるごとに213,000円が加算されます。市は「収入ではなく、所得で判定します」と説明しています。上の表は特別障害者手当・障害児福祉手当と共通の表のため、ご自身のケースで対象になるかどうかは障害者支援課(053-457-2212)か区の社会福祉課でご確認ください。
また、世帯構成や加入している健康保険、住所などが変わったときは、各福祉事業所の社会福祉課に速やかに届け出が必要です。就職や配偶者の就労などで世帯の所得が大きく変われば、翌年度から対象外になることもあります。「対象のはずなのに助成されない」というときは、まず所得制限を疑ってみてください。
手続きは必要?新しい受給者証と、市外受診時の償還払い申請
浜松市子育て情報サイト「ぴっぴ」によると、新しい受給者証は令和8年9月中に郵送されます。届いたら氏名や有効期限を確認し、10月からは新しい受給者証を医療機関の窓口に出しましょう。9月末を過ぎても届かない場合は、区役所の社会福祉課に問い合わせてください。
市内の医療機関なら、受給者証を出せばその場で助成が受けられます(現物給付方式)。市外の医療機関では、いったん窓口で自己負担を支払い、後日助成分が振り込まれる自動償還払方式になります。
受給者証が使えなかったときは、償還払いの申請が必要です。20歳未満の場合、必要なものは次のとおりです。
- 重度心身障害者医療費助成申請書(窓口にあります)
- 医療機関等の領収書(原本)または領収証明書(医療機関の記入・押印があるもの)
- 助成金受給者証
- 子どもの保険証等(マイナ保険証、資格確認書)
申請期限は、受診した月の翌月1日から1年以内です。窓口は中央区役所・東西南行政センター、浜名区役所・北行政センター、天竜区役所の各社会福祉課で、協働センターやふれあいセンター、市民サービスセンターの一部でも受け付けています。
まとめ|10月からの変更点と、困ったときの相談先
最後に、令和8年10月受診分からの変更点をおさらいします。
- 20歳未満は通院が無料に(時間外診療は除く)
- 20歳未満は入院時の食事療養費が無償化
- 20歳以上の自己負担は変更なし
- 手帳の等級が該当していても所得制限あり
制度の内容や所得制限について迷ったら、浜松市障害者支援課 手当助成グループ(電話053-457-2212)か、お住まいの区の社会福祉課に相談してください。浜松市には子ども医療費助成など医療費の負担を軽くする制度が他にもあるので、あわせて確認しておくと取りこぼしがありません。